2009/04/08　真柏の取り木（結束式）2

取り木の方法には、環状剥皮法と結束式の二通りが代表的ですが
その二通りを併用する場合もあります

真柏の場合、針金による結束式が一般的であり
山取りの古木の場合は、あらかじめ根を呼び接ぎしておく「根接ぎ取り法」を用います

さて、真柏ミニの名木を目指して作業を続けましょう

一巻きの結束では、締められた箇所と緩んだ箇所ができやすい
また一本の針金を二巻きすると針金がまたぐ箇所ができてしまうので、やっぱり緩みやすい

ですから、二本の針金を重ならないように二重に結束し
異なる箇所で締上げるのが正しい方法です

二本の針金が重ならないように結束
針金がずれないよう、さらに補助の釘を打ちます

ピッタリと結束し強く締上げました

枝葉で作られ形成層を伝わり根に向って下りてくる養分が
この針金によりせき止められ、針金の上部に溜まってくるのです

その溜まった養分があふれ出て発根にいたります
その時期は、早ければ今夏、遅くとも来年の入梅ごろには必ず発根します



針金の結束位置くらいまで植込みの用土を入れます



針金の結束位置の上部約1〜1.5cmほど
たっぷりと水苔で覆います

この水苔には常に湿り気が必要です

後ろ姿



取り木により目指すボディーの予想図
すばらしい足元と迫力ある幹筋ををもった名木の誕生です

こんごの培養管理

１　日当たりのよい置き場を選び、多肥多水を心がける

２　夏までは枝葉を切らずに十分に徒長させ
　　夏に軽く枝に針金をかけて枝の基本を作ります

　　その場合、必要な枝の先端は切らずに
　　伸ばしたままで枝を太らせます

３　来春に軽い剪定を行い、さらに夏から秋まで徒長させる

４　来秋に発根状態を確かめながら親木から切り離します

５　本格的な植付けは越冬したあとの春先に行います